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食を軸に進化する
ビッグデータ連携基盤

新型コロナの影響を可視化する、内閣府「V-RESAS」における「Food Data Platform」の活用事例

Rettyに日々蓄積される膨大な食領域のデータを、企業のサービスや各種プラットフォームとシームレスにデータ連携が出来るサービス、「Food Data Platform(FDP)」。
現在このFDPは、新型コロナウイルス感染症の地域経済への影響を可視化し、地方自治体の取り組みを情報面から支援するサイト、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局と内閣府地方創生推進室提供の「V-RESAS(ブイ・リーサス)」にもご活用いただいております。
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた飲食業のビッグデータとして、RettyのFDPはどのように活用されたのか、導入の経緯や成果について、インタビューをおこないました。

コロナ禍で、迅速に”今までにないデータ”が必要とされた

今回お話を伺ったのは、「V-RESAS」を提供する、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局及び、内閣府地方創生推進室ビッグデータチームの皆さんです。

(左から)主査・西田昌弘さん、参事官補佐・紫竹貴司さん、主査・加藤祐輝さん

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V-RESASを始めるにあたって、どのような課題を感じていましたか?

紫竹さん

以前より、経済産業省が地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」を提供していましたが、今回我々がV-RESASを立ち上げた一番の目的は、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響の把握と、地域経済の活性化に向けた施策の検討に資するデータの提供のためです。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響を、どのようなデータから把握すべきか当初は全く分かりませんでした。
今回、FDPのようなオルタナティブデータを使わせていただき、従来の政府統計では捕捉し切れない部分と、足元のリアルタイムな動きが見て取れるようになりました。

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FDPをお選びいただいた理由は?

紫竹さん

コロナ禍で、ダメージを受けた業種をどう見える化するのか、が一番大きな課題でした。影響を受けた業種は何なのかという議論があり、当時、飲食業が大きな影響を受けているのは明らかだったんですけど、実際にどのくらい影響を受けているかが分からない。

加藤さん

コロナ禍という国難ですので、我々は情報をいち早く国民の皆様に提供したいと考えておりました。
令和2年の5月頃より、人流・宿泊・飲食・イベントなど、カテゴリ別で影響の可視化を検討しており、飲食業というところでRetty様にお声がけさせて頂きました。
その中で、いち早く、沢山のデータを提供して下さったのがRetty様でして、まさにそこが決め手です。
全国70万店舗、月間4,000万以上のユーザー、日本最大級の口コミのプラットフォームというところに信頼性も感じ、FDPを導入させて頂きました。

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導入し、成果を感じるポイントを教えて下さい

紫竹さん

これまで、政府が提供する統計データは、細かくても月次データといったケースが殆どでした。しかし、新型コロナウイルス感染症は1ヶ月経つと状況が大きく変わることもあります。なるべく鮮度の高いデータを出して頂けるよう、事業者様とも相談させて頂きつつも、コロナの影響を受けた各カテゴリ(人流・消費・飲食・宿泊など)が、同じタイミングで全て比較できるよう、当時できる最大限の更新頻度として、ISOの基準に則った週ごとの更新を実現しました。
データの特性もあり、データの基準を横並びに揃えることが難しい部分もあったのですが、FDPの導入の際はRetty様に柔軟にご協力頂けました。

西田さん

実はRetty様からは、日毎のデータを頂いており、週定義はこちらの集計や比較の都合となります。1週間に1回のデータ更新とはいえ、地域ごとの変化を可視化でき、これまでよりはるかにリアルタイムに近い情報を提供できるところが素晴らしいと思います。
データを使って、金融機関やコンサルティング会社の方、有識者の方にも分析などでご活用頂いております。

紫竹さん

V-RESASの目的として、政府や各都道府県のコロナ対策を目的とした支援金など、各種支援を決定する上でのエビデンスとして使われることを想定としておりますが、それ以外にも新型コロナウイルス感染症で大きな影響を受けた当事者である、飲食業や宿泊業などの民間の事業者様にもご活用頂いております。今までデータで見ることができなかった方や、データで見ようとお考えでなかった方も、この機会に足元の状況を把握するために活用頂き、初めてオルタナティブデータに触れたという方もいらっしゃいます。

加藤さん

これまでの政府統計は、県または日本全体という単位で行っており、より粒度の細かい市区町村レベルまでは落とし込めないところがありました。しかし、V-RESASによって複数の市区町村を束ねた二次医療圏単位での状況が見えるようになり、地方公共団体の方にもぜひ使ってください、とアナウンスできました。

紫竹さん

これまでEBPM(政策効果の測定に必要な情報や統計等のデータを活用し政策立案すること)の取り組みは政府統計で入手した情報を使って、どのように既存の政策をブラッシュアップしていくか、というものでした。 しかし、コロナ禍では前例が無く、従来のような枠組みではどのような政策を推進すれば良いか分かりません。 V-RESASを通じて、全国の地方公共団体の方が、今までにない民間のデータを活用されて、政策を立案頂いたことは、先進的な取り組みだったと思いますし、V-RESAS立ち上げと前後して、様々な民間データの活用のサービスが立ち上がったと思っています。そういった意味でのインパクトはあったのかなと。

また、今回の感染症拡大では、個人の行動が非常に大きなウェイトを占めています。個人の方がV-RESASをご覧になって、行動変容につながり、個人レベルのPDCAサイクルにつながっていくというのは新しいですね。それが足元のデータ関連のサービスの提供事業者の拡大など様々な動きにつながっていると思います。

スパイクも含めて、FDPのリアルタイムデータの価値

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FDPを利用して、興味深かったデータはありますか?

西田さん

地方の一部地域では、むしろコロナ禍で、特定のジャンルの減少幅が縮小している傾向がありましたよね。一時的なスパイクということもあるのでしょうか。

紫竹さん

データのあり方については色々な議論があると思いますが、私個人としては、スパイクも、ノイズではなく、リアルなデータだと思っています。
お祭りだったり、メディアの露出だったり、実際にその地域でその業態の注目度が上がったということは間違いのないことです。
リアルタイムデータであればあるほど、スパイクの問題は生じてしまう。

ダッシュボード的な使い方ですけど、色々なデータを並べて、そこからなにかメッセージを読み取るという使い方をするのであれば、まさにスパイク自体が重要であったり、スパイクがないことが重要な情報であったりする面もあるかと思います。
月次でまとめればあまり目立たないかもしれませんが、データの読み手がスパイクについて解釈をできるような情報も併せて提供するなど、スパイクを均すのではなくて、スパイクを理解しやすい発信の仕方ができるといいなと思っています。

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FDPのご利用の満足度や、今後期待することは?

加藤さん

満足度は満点です。現在我々はカスタマイズしたデータをいただいておりまして、コロナ前の2019年と今を比べるロジックで取り組んできました。
今後は、もっと良いデータの見せ方があるのでは、と検討していて、今後は2019年比だけでなく、客単価や、年代なども踏まえたデータの利活用ができたらと思っています。

紫竹さん

導入当初と現在で、V-RESASの目指すところも変わってきていて、今後さらに細分化、更新頻度を上げることはできないかなど検討しており、更なるデータの利活用拡大に向けて、RettyのFDPチームとディスカッションを重ねているところです。

Rettyは、飲食店と外食を楽しむユーザーによって支えられています。
今後、内閣府と共に地域経済の再活性化に向け「V-RESAS」の拡充に努めると同時に、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた飲食店を応援していく考えです。
「Food Data Platform」は、実名口コミグルメサービスRettyだからこそできる、ビックデータの更なる品質向上を実現し、連携企業を拡大していきます。

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